コメ不足の時代 5
稲刈りの時期に入ってから、農協の担当者の彼のもとには、ヤミ米業者がこんな値段でコメを買っていった、という類の話ばかりが持ち込まれたそうです。
それも、とても信じられないほどの高値。
もちろん、農協が太刀打ちできる次元のものではありませんでした。
そうした具体的な数値を紹介しながらも彼は、それらが実際より誇張されて伝えられたもので、いつしか独り歩きしていったものではないかと、疑問をさしはさんでいました。
こんなグチともボヤキともつかない話に耳を傾けていましたら、その担当者が、新米の検査実績と集荷の一覧表をテーブルに広げて見せ、自説を展開してくれました。
それは、こうです。
「今年は収量の低下のみならず、コメの品質も悪化した。
一等比率が昨年の92%から、一気に46%にまでダウンした。
そして、この等級の悪さと集荷の苦戦が連動している。」