農業の需要と供給 4
『ひとつその仕事引受けましょう!』
・・・戦時中のほとんどを昼夜兼行で働いて、シンプロットとその従業員は毎日60万ポンドの生ジャガイモを良質の圧縮された、極めて有用な戦地向け食品に変えた・・・
その顕著な戦争協力に対して、この会社は国の最高の表彰を受けたのである」。
戦時中の優れた産業上の功績に対して授与される陸・海軍の勲章です。
戦火の下で新しい産業を興したことは近来の実業界の歴史上ひとしお感慨深い偉業の一つでした。
ジャック・シンプロットは、戦後、大胆かつ幸運な実業界の闘士の一員として、数々の新しい企業の世界を征服するものと思われました。
しかし、彼の住む世界は急速に瓦解し始めたのです。
シンプロットは極貧から大金持ちへの陳腐な道を一巡して再び極貧に戻る運命にあるのかとまで思われた一時期もありました。
かつては感謝の意を表した国家が彼に獄衣を着せそうな動きさえあったようです。
もはや軍の庇護もなく、彼は新しい手口で略奪を図る国税局のエージェントたちに包囲され、概算250万ドルの請求書を突きつけられたのです。
結局彼はその額の5分の1の支払いを承諾せざるをえなかったのです。
弁護士たちもそれなりによく彼を助けましたが、あの苦難の時期にはこの徴税すら彼には痛手でした。
乾燥ジャガイモの売れゆきは以前の水準の4分の1以下に急落していました。