日本は貧しい
ドイツ人は、仕事と関係ないことば非常に情熱を傾けます。
日本のように仕事半分の夜の宴会がないから、知人を家によぶ、よばれるが日常です。
そこでは仕事の話はいっさいしません。
話は、休暇の話から芸術論、外交問題までに自然に発展していきます。
何といっても、こういう話題の蓄積がたいへん豊富です。
人と人とのコミュニケーションが、実に巧みであるといえます。
・・・それに引き換え、日本人は仕事を離れた世界での人と人とのかかわりあいが希薄で、これが日本の国際性のなさにも通じるのではないでしょうか。
さまざまに思いをめぐらすと、生活の豊かさを求める国民と、国民の生活の向上を一貫して追求する政治のバランスの中に西ドイツの底力があるように思えてなりません。
もっとも個人の豊かさを大切にするといっても、西ドイツの人びとは無駄な消費に走ることはありません。
彼らがいうのはシュパーレン(倹約)であって、消費を煽れ、などとはいわないでしょう。
むやみにカネを使って、贅沢をすることはありえないことなのです。
住宅環境が貧しいことの裏腹として西ドイツ製の高級乗用車が売れているという日本の今日の状況は、彼らにとっては理解しにくいことであるに違いありません。
・・・それだけ、まだ日本は貧しいのです。